磯辺行久

日本

1935年東京都生まれ。1950年代から版画や木枠の中でワッペン型を反復させたレリーフなどを制作し、60年代に一躍注目を集めた。1965年に渡米。新しい素材を使ったテント構造・吊り構造などの作品を経て、空気を利用した造形に着目。パラシュートと風を使ったフローティング・スカルプチャー、ビニール素材の構造物に空気を満たしたエア・ドームなどを制作。これらをスクリーンとして映像作家とも協働した。また、麻薬更生施設フェニックス・ハウスのイベント「サマー・ハプニング」や第1回アース・デーでは巨大なエア・ドームを設計し、討論やティーチ・イン、バンド演奏などの会場として提供。また、ペンシルバニア大学大学院のイアン・L・マクハーグ氏のもとでエコロジカル・プランニングを学び、地域環境を形成している気象・地質・地形・水・土壌・植物、歴史文化等を資源として位置づけた地域計画を調査・研究。帰国後、本邦のパイオニアとして国・都道府県や地方自治体からの委託でエコロジカル・プランニングの調査研究や環境管理計画・環境計画等の策定に従事。近年はエコロジカル・プランニングと社会・文化人類学(social and cultural anthropology)的方法論に着目したプロジェクトを行っている。
2000年から始まった大地の芸術祭との関わりは深く、信濃川の昔の姿、川の瀬替えや土石流の痕跡、越後妻有の歴史文化と人々との関りを、現地で可視化し伝達する作品などを発表している。

2024年6月(予定)ペンシルヴェニア大学美術館・実験映画展 パラシュート・カノピーの制作と自作映像の展示会、2022年「Les Êtres Lieux」パリ日本文化会館、2021-22年アエロドリーム─建築、デザイン、膨らむ構造(パリ)、2020年「もつれるものたち」東京都現代美術館(東京)、1950-2020年国立建築遺産博物館(パリ)、ポンピドゥ・センター・メッス共同企画(フランス)、2018年「磯辺行久の世界―記号から環境へ」磯辺行久記念 越後妻有清津倉庫美術館(新潟)、2013年個展「磯辺行久 -環境・イメージ・表現-」市原湖畔美術館(千葉)、瀬戸内国際芸術祭(香川)、2000-2023年大地の芸術祭/「川はどこへいった」など越後妻有の大地をテーマとしたプロジェクト(新潟)、2007年個展「SUMMER HAPPENING」東京都現代美術館(東京)。

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