提供:(一社)十日町市観光協会

大地の芸術祭とは

世界最大級の国際芸術祭であり、日本中で開催されている地域芸術祭のパイオニア。アートを道しるべに里山を巡る新しい旅は、アートによる地域づくりの先進事例として、国内外から注目を集めています。

どこで開催されているの?

過疎高齢化の進む日本有数の豪雪地、新潟県の越後妻有地域(=大地の芸術祭の里)が舞台。農業を通して大地とかかわってきた「里山」の暮らしが今も豊かに残っている地域で、1年を通して自然の中に作品を展示します。
6つの地域について

いつから開催されているの?

トリエンナーレは2000年から3年に1度開催されており、2021年に8回目を予定。前回2018年は約54万人の来場者数を記録し、経済効果や雇用・交流人口の拡大をもたらしています。
これまでの歩み

トリエンナーレ期間外も楽しめますか?

1年を通して、約200点の作品を楽しめるだけでなく、季節ごとに企画展やイベント、ツアーを開催しており、アート作品や旧小学校でのお食事やご宿泊もできます。地域に内在するさまざまな価値をアートを媒介として掘り起こし、その魅力を高め、世界に発信し、地域再生の道筋を築くことを目指しています。
通年の取り組み
どんなコンセプトなの?
1. 人間は自然に内包される
越後妻有は、縄文期からの豪雪という厳しい条件のなかで、米づくりをしてきた土地です。人々は、切り離すことができない人間と自然の関わり方を探りながら、濃密な集落を営んできました。そこから「人間は自然に内包される」という基本理念が生まれ、すべてのプログラムに貫かれています。人間と自然がどう関わっていくか――。その可能性を示すモデルになろうと、越後妻有の地域づくりは進められています。
2. アートを道しるべに里山を巡る旅
大地の芸術祭では、およそ200の集落を手がかりに作品を散在点在させ、現代の合理化・効率化の対極として徹底的な非効率化を試みています。世界のアーティストが手がけた約200の常設作品に加え、会期中には新作を公開します。里山の美しさ豊かさを際立たせ、そこに積層した人間の時間を浮きあがらせるアートを道しるべに、人々は五感を開放し、生の素晴らしさや記憶を全身に蘇らせるのです。
3. 世代、地域、ジャンルを超えた協働
アーティストは他者の土地にものをつくらねばならず、地域とのコミュニケーションが欠かせません。やがてアーティストの熱意が伝わり、住民は協働者として作品に関わり始めました。また、都会から多くの若者がボランティアに参加し、「過疎地の・農業をやってきた・お年寄り」と「都市で・何をやっているかわからない・学生」との出会いは、衝突・困惑から理解・協働へと変化していきました。
4. あるものを活かし、新しい価値をつくる
大地の芸術祭の代名詞ともいえる、空家・廃校プロジェクト。越後妻有に残る膨大な空家を作品として再生し、地域の記憶や知恵を継承しようと、100件ものプロジェクトが行われてきました。かつては地域を結ぶ場であった廃校にも、たくさんの作品が展示され、学校は再び集落のキーステーションとなりました。これらはアートという枠を超え、コミュニティの一部となって活用され続けています。
5. ユニークな拠点施設
豪雪、集落、棚田、マブ、縄文土器、近代的土木構造物…。これら越後妻有の要素を凝縮した施設が、世界的建築家やアーティストの手でつくられ、集落をつないでいます。それは越後妻有の縮図であり、その特殊性や魅力を存分に感じることができます。公共事業としての作品制作も進められ、トイレや公園、トンネル、宿泊施設などのアートプロジェクト化により、体感できる恒久作品が数多く生まれました。
6. 生活芸術
人間がつくってきたものはすべて「美術」であり、その原初的な部分が「生活芸術」です。なかでも重要な要素となるのが「食」です。大地の芸術祭では、文化・芸術の最も初歩的で基本的な表れは「食」であるという理念に基づき、力を注いでいます。「食」は、地元の人たちが主人公となれる、大切な要素なのです。
7. グローバル/ローカル
越後妻有には、アジアから嫁いだ女性たちがいます。過疎・高齢化の進む里山と世界をつなぐ場所が、この地域にはあるのです。そこに海外アーティストが入ることで、新しい交流が生まれ、さらに世界中の文化芸術機関が参加し、国境を越えた協働がなされています。集落を通じて世界とつながる。このヒューマンスケールによるつながりで、地球を包むことこそがあらゆることへの可能性なのです。

どんな作品があるの?

自然を大きく活用した野外彫刻作品や、廃校や空家、トンネルを丸ごと活用した作品など、地域を切り拓いて生まれた作品が約200点常設展示されています。
作品・作家一覧

総合ディレクターは?

北川フラム
1946年新潟県高田市(現上越市)生まれ。東京芸術大学卒業。「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」「瀬戸内国際芸術祭」「北アルプス国際芸術祭」「奥能登国際芸術祭」の総合ディレクター。 地域づくりの実践として、「ファーレ立川アート計画」(1994/日本都市計画学会計画設計賞他受賞)や「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」(第7回オーライ!ニッポン大賞グランプリ〔内閣総理大臣賞〕他受賞)ほか、 長年の文化活動により、2003年フランス共和国政府より芸術文化勲章シュヴァリエを受勲。2006年度芸術選奨文部科学大臣賞(芸術振興部門)、2007年度国際交流奨励賞・文化芸術交流賞受賞。2010年香川県文化功労賞受賞。 2012年オーストラリア名誉勲章・オフィサー受賞。2016年紫綬褒章受章。2017年朝日賞受賞。2018年文化功労者に選出。

どうやって行けばいいの?

越後妻有地域(新潟県十日町市・津南町)は、新潟県の南端に位置しています。まずは地域への玄関口であり、ターミナル駅である北越急行ほくほく線/JR十日町駅へ。飛行機なら新潟空港、電車なら、東京または名古屋から新幹線を利用。
アクセス

どんな人たちが運営しているの?

越後妻有地域の行政である十日町市・津南町とNPO法人越後妻有里山協働機構が中心になり、IT企業のトップや実業家、インフルエンサーなどで構成されるオフシャルサポーター、また多数の企業や団体が協働し、実現しています。
関連団体

もっと「大地の芸術祭」を知りたい!

新潟から世界を捉え、21世紀の美術を考えるWEBマガジン「美術は大地から」では、総合ディレクター北川フラムのコラムをはじめ、アーティストや著名人による現地ルポ、作品を掘り下げる記事、食やツアーの観光紹介記事、サポーターや地元の人などに密着する記事、運営ブログなど、さまざまな内容を発信しています。毎月メインビジュアルも更新中。
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最新ニュースやイベント情報、越後妻有の四季の様子、公式メディア「美術は大地から」の更新情報などを大地の芸術祭公式SNSアカウントで発信しています。