観光 / 越後妻有で遊ぶ
大地の芸術祭が開催される越後妻有には、アートだけでなく「十日町温泉郷」や「清津峡温泉郷」、「松之山温泉」、「宮中島温泉」など、さまざまな温泉地があります。特に松之山温泉は日本三大薬湯に数えられる名湯。今回はアート鑑賞とあわせて楽しみたい、越後妻有のオススメ温泉をご紹介します。
テキスト・編集:井上広宣(アソビュー) 撮影:北村渉
21 September 2019
松之山温泉にある日帰り温泉施設「ナステビュウ 湯の山」。ここでは日本三大薬湯のひとつである松之山温泉の上質な湯を、絶景とともに楽しめます。
館内に入るとすぐ、松之山温泉ならではのお土産を販売する売店が。
なかでもオススメなのが、松之山温泉の源泉をそのままボトリングした「松之山温泉の源泉(300円)」。松之山温泉は天然保湿成分が豊富で美容効果が抜群。そのため化粧水のようにお風呂上がりのお肌につけるだけでもツルツルになるそうです。
さらに松之山温泉を使って作られた「松之山温泉豆腐(250円)」や黒糖饅頭の「湯の山饅頭(600円)」なども松之山温泉らしい逸品でお土産として人気です。
内湯は一面ガラス張りになっており、外の山々を一望できるため解放感があります。窓から差し込む柔らかな陽の光を感じながらの入浴は格別。
さらに露天風呂に出てみると、透き通った空気と緑の香りが心地いい開放的な空間が。露天風呂から正面に望む山々は、四季折々の表情を見せてくれます。夏は青々しい鮮やかな緑を、秋には真っ赤に燃える紅葉を、冬は一面の銀世界を眺めながら、上質な温泉に浸かるひとときは極上。夏場はごろ寝ができるデッキテラスもあるので、サウナ→水風呂→外気浴を楽しむのもよさそうです。
サウナも完備。小さいけれど室内温度は98℃と高温で、本格的なサウナ好きも満足できるはず。そして注目したいのが水風呂です。良質な地下水をそのまま使用しているナステビュウ湯の山の水風呂はキンキンに冷えています。夏場でも15℃前後、冬になると10度を下回り、いわゆるシングル(10℃以下の水温の水風呂)になるんだとか。サウナで火照った身体が一気に締められる感覚が快感です。
お風呂上がりには食堂へ。座席の横には大きな窓があり、窓の外には里山の風景が遠くまで広がります。
湯上がりの火照った身体に嬉しい「雪下にんじんジュース(350円)」と「クリームソーダ(250円)」で乾杯。雪下にんじんジュースは、津南高原の雪の下でじっくり育てられた「雪の下にんじん」が使われていて甘みたっぷり。砂糖不使用・保存料無添加なのにしっかり甘く、にんじん特有のくさみもないので、スッキリと飲みやすいジュースです。
スポット詳細
住所:新潟県十日町市松之山湯山1252-1
アクセス:塩沢・石打I.Cから車で約50分
営業時間:10:00~22:00
入浴料:大人650円
公式サイト:https://yunoyama.jp/
松之山温泉街のなかほどにある共同浴場「松之山温泉 鷹の湯」。入浴料金が500円とリーズナブルでありながら、濃厚な松之山温泉を楽しめます。また夜遅くまで営業しているため、アート鑑賞を終えて帰路につく前に立ち寄るのにも便利です。
館内には小さいながら、どこか懐かしさを感じさせてくれる休憩スペースがありました。窓から差し込む木漏れ日や畳の香りが心落ち着く空間です。
お風呂は内湯と露天風呂というシンプルな構成。三大薬湯である松之山温泉を楽しむならこれくらいシンプルな方がいいのかも。お湯はちょっと熱めで濃厚。それもそのはず、鷹の湯の源泉は約97℃もあるんだとか。また「昔は塩が採れた」と言われるほど塩分が濃厚なのも特徴。湯の中で少し肌を触ってみると、ツルツルになっているのが感じられるはず。
リーズナブルでありながら露天風呂もしっかり完備。すぐ目の前が森になっており、緑の清々しい匂いや葉擦れの音などを感じながら入浴するひとときは贅沢です。冬は景色が一変して、豪雪地帯ならではの豪快な雪見風呂が楽しめます。
鷹の湯のすぐ近くには、黒い雄牛のモニュメント「ブラックシンボル」が佇んでいました。このブラックシンボルは、スペインの作家サンティアゴ・シエラ氏によるもの。写真では分かりづらいですが、高さ14mもあり、人間と対比するとその大きさをうかがい知ることができます。このブラックシンボルのすぐ横には「不動の滝」が流れており、さらに奥に進むとホタル観賞ポイントも。温泉とあわせて立ち寄りたいスポットです。
スポット詳細
住所:新潟県十日町市松之山湯本18-1
アクセス:塩沢・石打I.C.から車で約50分
営業時間:
定休日:第2・第4木曜日 ※祝日の場合は翌日
入浴料:500円 / 小学生未満無料
ホントは誰にも教えたくないけど、誰かに教えたい。そんな秘湯が「湯田温泉渋海リバーサイド ゆのしま」です。山の中に佇む一軒宿で特別な派手さはないけれど、山の幸・川の幸をふんだんに使った田舎料理や、とにかく肌がすべすべになる「美人の湯」が自慢。
お風呂は内湯が一つと露天風呂が一つのシンプルな構成。そして何より泉質がとても良いのが特徴です。ゆのしまの温泉は、お湯がとろっとしていてまるで化粧水のよう。そんな天然の化粧水に身体を沈めれば、肌がツルツルすべすべになっていくのを実感できます。
露天風呂は秘湯感たっぷり。仕切りが低いため、立ち上がると周りから見えてしまいそうになるので注意が必要ですが、古き良き日本の田舎の原風景といった景色を眺めながらの入浴は格別。露天風呂の湯は内湯よりも少しぬるめなので、じっくりとお湯に浸かりたい方は露天風呂がオススメです。
ゆのしまの近くには、小さな吊橋と渋海川がありました。橋を渡って緑の中で川の流れに耳を傾けたり、渋海川に足をつけてみたり、そんな過ごし方もスローで癒やされるひとときです。
スポット詳細
住所:新潟県十日町市浦田2963
アクセス:塩沢・石打I.Cから車で約60分 / 上越I.C.から車で60分
営業時間:8:00~21:00
※16:00頃~18:30頃は宿泊者専用になることがあるので事前にご確認ください
定休日:
入浴料:500円
公式サイト:http://www.yunoshima.com/index.cgi
「三省ハウス」は松之山温泉から車で15分ほどにある宿泊施設。一見普通の小学校に見えますが、中は新しく改装され、センスの良い空間になっています。当時の校舎を活かした木造の廊下がどこか懐かしく、暖かさがあふれます。体育館やグラウンドも、滞在中は自由に利用可能。バトミントンやボールなど、小学校時代に遊んだ記憶が蘇ります。
実際に使われている「雪囲い」と呼ばれる雪から窓を守る板や、地域に生えている針葉樹や植物(撮影:Keizo-Kioku)
ここには、レアンドロ・エルリッヒの作品「Lost Winter」が展示されています。窓ガラスを覗くと、そこには窓ガラスをのぞく自分の姿と、雪どけがはじまった頃の越後妻有が。
写真はイメージです。メニューは季節によって変更されます。(撮影:Ayumi Yanagi)
三省ハウスでの楽しみといえば、やっぱり食事。食堂では地元のお母さんたちが腕をふるう、松之山の家庭料理が味わえます。季節の食材をふんだんに使った献立は、その日ごとに異なり、寒い時期に仕込む味噌や、松之山でよく食べられるしょうゆの実など、調味料にもこだわりがつまっています。その日に収穫された野菜を見て、メニューを考えるのだそうです。
スポット詳細
住所:〒942-1402 新潟県十日町市松之山小谷327
電話番号:025-596-3854
公式HP:http://www.sanshohouse.jp/index.html
※現在は10名以上から予約が可能。時期によって変わるので公式HPを確認してください
※三省ハウスに宿泊するプログラム