越後妻有 MonET 連続企画展Vol.7
三宅感「無色の人」

開催概要

越後妻有里山現代美術館 MonETにて2023年より開催している連続企画展。会期毎にゲストキュレーターがアーティストを選定し、展覧会を開催します。


連続企画展開催によせて

大地の芸術祭は、美術を契機に地域を活性化すべく活動を行ってきました。更なる地域に根ざした芸術祭にしていくため、地域と芸術の新しい可能性を探り、未来を担う作家と出会い、新たな協働を生み出していきます。越後妻有里山現代美術館MonETでは、ゲストキュレーターが広く今後の美術をひらいていくアーティストを選び、2か月ごとに個展を行います。2023年から長期にわたる連続企画展シリーズとして開催しています。

北川フラム(大地の芸術祭総合ディレクター)


三宅感「無色の人」

「雪像は無色だからこそ、色々な想いを持つ他人同士を家族のようにまとめる力があるのではないか。」
雪まつりの日にはじめて十日町を訪れた三宅は、夜の闇に照らされ、ほほえましくもどこか神々しく、”聖と俗の二重写し”のようにも映る雪像の制作プロセスをそのように捉えた。
美術制作の傍ら重度身体障害者の訪問ヘルパーとして働く三宅は、介助現場で様々な家族の日常に入り込む中で、雪のように独自の色を排除した「無色透明」となることこそが、他人同士を繋ぐ役割を果たせるのではと考えるようになったという。
彼が扱うモチーフは、家族、身体介護など生活そのものに根ざしたものが中心だ。本展のタイトルでもある「無色の人」は、どんな色にも染まることができる、まっさらでニュートラルな立場。それは、これらのモチーフとなった人々の人生でもあり、介助の現場での三宅の姿とも捉えることができる。

本展では、2016年に岡本太郎賞の大賞を受賞した4メートルを超える色鮮やかな巨大壁画≪青空があるでしょう≫と併せて、三宅の初めての試みとなる無色の連作レリーフを展示する。
色のない世界に一変する冬の十日町で、極彩色による過去作との対比をぜひご覧ください。


開催概要

【ゲストキュレーター】椹木野衣(美術評論家)
【会期】2025年1月25日(土)~2025年3月23日(日)祝日を除く火水定休
【料金】一般1,200円/小中600円、または「越後妻有の冬 2025」共通チケット
※料金には、越後妻有里山現代美術館 MonET常設展示と企画展示鑑賞料含む。


関連イベント:身近な人の顔彫刻を作ろう!

作家と一緒に、小さな顔彫刻を制作するワークショップです。
自分の顔や同伴者の顔をモデルにしつつ、削った発泡ブロックに紙粘土を盛って造形していき、作り終わった顔彫刻からホールに並べていきます。
スマホの普及、マスクの日常化、身近な人の顔を見つめる機会が減った昨今。相手の顔をじっくり観察しつつ造形すると、知らなかった一面に出会えるかもしれません。日に日に増えていく顔彫刻もお楽しみに!

【日時】1/25~2/15の毎週土日(土曜日は13:00-16:00、日曜日は13:00-15:00
上記の時間内でいつでも体験できます。自由にお立ち寄りください。
【場所】越後妻有里山現代美術館 MonET
【参加費】美術館入館料に含む
【お申込】不要


第19回岡本太郎現代芸術賞展 岡本太郎賞≪青空があるでしょう≫(2016) 写真提供:川崎市岡本太郎美術館

≪わたしの野花たち≫(2017) Photo by Tomohiro Akutsu

≪あきらめの水位≫(2020) Photo by Goro Tamura


作家プロフィール
三宅感
1983年高崎市出身。2006年多摩美術大学彫刻学科卒業、多摩美術大学彫刻学科 非常勤講師。紙粘土と発泡スチロールで巨大壁画を制作し、2016年に岡本太郎賞の大賞を受賞。その他、彫刻、絵画、絵本、仮装、映像、パフォーマンス等、表現方法は多岐に渡る。

ゲストキュレータープロフィール
椹木野衣(美術評論家)

1980年代末から美術を中心とする評論活動を始める。主な著作に『シミュレーショニズム』(増補版、ちくま学芸文庫)、『日本・現代・美術』(新潮社)、『戦争と万博』、『後美術論』(第25回吉田秀和賞)、『震美術論』(平成29年度芸術選奨文部科学大臣賞、以上、美術出版社)など多数。ゲスト・キュレーターとして「アノーマリー」(レントゲン藝術研究所)、「日本ゼロ年」(水戸芸術館)、「平成美術 うたかたと瓦礫(デブリ)1989–2019」(京都市京セラ美術館)など。


越後妻有MonET連続企画展 概要
Vol.1 2023年7月1日(土)~8月27日(日)
「マテリアルショップカタルシスの岸辺  十日町店 &『死蔵データグランプリ2022-2023』記録展」
作家:カタルシスの岸辺
ゲストキュレーター:椹木野衣(美術評論家)

Vol.2 2023年9月9日(土)~11月5日(日)
「版画報、道が動く」
作家:松元悠
ゲストキュレーター:保坂健二朗(滋賀県立美術館 ディレクター(館長) )

Vol.3 2023年11月18日(土)~12月24日(日)
「続・並行小舟唄 翠のうつわ」
作家:竹﨑和征+西村有
ゲストキュレーター:塚本麻莉(高知県立美術館主任学芸員)

Vol.4 2024年1月13日(土)~3月10日(日)
「リバース ストリング」
作家:田中藍衣
ゲストキュレーター:檜山真有(キュレーター/リクルートアートセンター)

Vol.5 2024年4月13日(土)~6月9日(日)
作家:出津京子
ゲストキュレーター:保坂健二朗(滋賀県立美術館 ディレクター(館長) )

Vol.6 2024年11月23日(土)~2025年1月13日(月祝)
作家:光岡幸一
ゲストキュレーター:檜山真有(キュレーター/リクルートアートセンター)

Vol.7 2025年1月25日(土)~2025年3月23日(日)
作家:三宅感
ゲストキュレーター:椹木野衣(美術評論家)

Vol.8
作家:高田冬彦
ゲストキュレーター:塚本麻莉(高知県立美術館主任学芸員

開催概要

日時 Vol.7 2025年1月25日(土)~2025年3月23日(日)
祝日を除く火水定休
10:00-17:00(最終入館16:30)
場所

越後妻有里山現代美術館 MonET

料金 一般1,200円/小中600円、または「越後妻有の冬 2025」共通チケット
※料金には、越後妻有里山現代美術館 MonET常設展示と企画展示鑑賞料含む。

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