越後妻有 MonET 連続企画展Vol.4 田中藍衣「リバース ストリング」

開催概要

越後妻有里山現代美術館MonETでは、今期より新たな取組として、連続企画展を開催します。2023年度は、4名のゲストキュレーターを迎え、4つの展覧会を行います。


連続企画展開催によせて

大地の芸術祭は、美術を契機に地域を活性化すべく活動を行ってきました。更なる地域に根ざした芸術祭にしていくため、地域と芸術の新しい可能性を探り、未来を担う作家と出会い、新たな協働を生み出していきます。越後妻有里山現代美術館MonETでは、ゲストキュレーターが広く今後の美術をひらいていくアーティストを選び、2か月ごとに個展を行います。2023年から長期にわたる連続企画展シリーズとして企画・開催を計画しています。

北川フラム(大地の芸術祭総合ディレクター)


越後妻有里山現代美術館MonET 連続企画展 Vol.4


田中藍衣「リバース ストリング」

ざらざらとした質感、ざわざわとしたよるべなさ。その中にきらきらときらめく光の反射。寂しさや薄暗さを閉じ込めて、色彩や光を発する岩絵具は鉱石を砕いて粒子状にした絵の具です。そのような画材を使って絵を描く愛知県出身の画家、田中藍衣の個展を開催いたします。
点を打つことで、線を描き、それがいつの間にか面となっている。図示と描画のあいだを自在に行き来しながら描く彼女の絵画は、私たちが生きている地球や宇宙で起こっている循環やそれが成り立つ法則を不思議に思いながら追いかける彼女のテーマへの姿勢とも重なります。
「リバース ストリング」というタイトルは、新潟県出身の詩人である西脇順三郎が随筆で残した蕎麦の描写「荒々しくかためたひも」に由来します。絵具が塗りかためられることで、かたちを持ち、絵画となるとき、逆転して注目されるのは粒子のきらめきです。
本展は雪がこんこんと、時に、ごうごうと降り積もる真冬の十日町を舞台に、線から圏までを一度に描いてぐるりと組み換え可能な世界をつくろうと試みる画家の新作で構成します。

【ゲストキュレーター】檜山真有(キュレーター/リクルートアートセンター)
【会期】2024年1月13日(土)~3月10日(日)火水定休 10:00~17:00(最終入館16:30)
【料金】個別鑑賞券(一般1,200円/小中600円)、または「越後妻有2024 大地の芸術祭 冬」共通チケット
※料金には、越後妻有里山現代美術館 MonET常設展示と企画展示鑑賞料含む。

関連イベント:身体を使って雪中絵画をつくろう

日時:2024年2月24日(土)13:00~
場所:越後妻有里山現代美術館 MonET 屋外
参加費:美術館入館料(個別鑑賞券・冬共通チケット)に含む

身体を動かすことでいつの間にか絵画ができている?!
本展の出品作家、田中藍衣さんと一緒に、水や雪を画材にして
美術館の一角に大きな絵画をつくるワークショップです。
コツコツと目の前のことをやっていると、いつの間にか大きなものができあがる感覚を全身を使って体験してみましょう。

注意事項:
・屋外での作業となります。暖かい服装、防水の靴でお越しください。
・ワークショップではゼラチンを使用します。
・小学生以下(未就学~小学生)もご参加歓迎ですが、保護者の方のお付き添いをお願いします。

田中藍衣 《ウォーキングエッジ》(部分) 2023 63.0×52.0cm 紙に岩絵具
Photo by Adachi Ryo

田中藍衣 《Running Around》 2022 204.0×324.0cm 紙に岩絵具、ガラスビーズ

田中藍衣 《クラス》 2021 63.0×52.0cm 紙に岩絵具、鉛筆
Photo by Adachi Ryo

田中藍衣 《二つの並木》 2020 105.0×78.0cm 紙に岩絵具
photo by Hirabayashi Takeshi


作家プロフィール
田中藍衣(たなか あい)
1992年愛知県生まれ。2016年愛知県立芸術大学美術研究科博士前期課程油画・版画領域修了。近年の展覧会に、2023年「VOCA展2023 現代美術の展望ー新しい平面の作家たち」上野の森美術館、東京。2023年「バーナムで円を描く」COCOTO by COCO Gallery、京都。2022年個展「Got a Light」SANTOKO GALLERY、長野。2020年個展「Life」awai art center、長野など。

ゲストキュレータープロフィール
檜山真有(キュレーター/リクルートアートセンター)
1994年大阪生。主なキュレーションに2023年『谷原菜摘子の北加賀屋奇譚』(CCOクリエイティブセンター、他)、2022年『フォールアウトファミリーズ』、2021年『オカルティック・ヨ・ソイ』(デカメロン)。主なレクチャー、ワークショップに2023年『私は嘘をつくのが好き:キュレーションのハッタリとリアルについて』(PARA)、2022年『シャッフル・ディストリビューショナル・エディトリアル・ライティングW』(愛知県立芸術大学)。今年の目標を「ゲリラ・ネイチャー・アドベンチャー」に上方修正しました。

photo by Oku Yuji


連続企画展2023概要
Vol.1 7月1日(土)~8月27日(日)
「マテリアルショップカタルシスの岸辺  十日町店 &『死蔵データグランプリ2022-2023』記録展」
作家:カタルシスの岸辺
ゲストキュレーター:椹木野衣(美術評論家)

Vol.2 9月9日(土)~11月5日(日)
「版画報、道が動く」
作家:松元悠
ゲストキュレーター:保坂健二朗(滋賀県立美術館 ディレクター(館長) )

Vol.3 11月18日(土)~12月24日(日)
「続・並行小舟唄 翠のうつわ」
作家:竹﨑和征+西村有
ゲストキュレーター:塚本麻莉(高知県立美術館主任学芸員)

Vol.4 2024年1月13日(土)~3月10日(日)
「リバース ストリング」
作家:田中藍衣
ゲストキュレーター:檜山真有(キュレーター/リクルートアートセンター)

Vol.5 2024年4月13日(土)~6月9日(日)
作家:出津京子
ゲストキュレーター:保坂健二朗(滋賀県立美術館 ディレクター(館長) )

Vol.6 2024年11月23日(土)~2025年1月13日(日)
作家:光岡幸一
ゲストキュレーター:檜山真有(キュレーター/リクルートアートセンター)

開催概要

日時 Vol.4 2024年1月13日(土)~3月10日(日)祝日を除く火水定休
10:00-17:00(最終入館16:30)
場所

越後妻有里山現代美術館 MonET

料金 一般1,200円/小中600円
、または「越後妻有2024 大地の芸術祭 冬」共通チケット
※料金には、越後妻有里山現代美術館 MonET常設展示と企画展示鑑賞料含む。

関連情報

つながる

最新ニュースやイベント情報、越後妻有の四季の様子、公式メディア「美術は大地から」の更新情報などを大地の芸術祭公式SNSアカウントで発信しています。