通常は1.5メートルほどの屋台を、10メートルに長くしたリムジン型屋台である。屋台の通俗的なイメージを払拭し、小さな公共空間とすることを考えた。十日町は冬の豪雪によって特徴づけられている地域だが、夏の展覧会なので観客はその雪を見ることができない。そこで屋台全体を白く塗り、メニューを、酒、豆腐、かき氷、漬け物などの地元でとれる白い食べ物から構成し、夏に雪を思うための場所とした。屋台は、関連イベントや町のお祭りへ出張営業したり、貸し出されたりもした。移動がまた見もので、曲がるときに道路の4車線を使うので、町にちょっとした渋滞を引き起こしたが、その少し間抜けな姿を沿道の人々は暖かく見守ってくれた。白くて大きい、やっかいだが、ユーモラスで愛着がわくもの。十日町における雪は、そのようなものなのかもしれない。
作品番号 | T042 |
---|---|
制作年 | 2003 |
エリア | 十日町 |
集落 | 市街地 |