1999年中里村で1万5千年前の地層から自然堤防跡が発掘された。その位置は、現在の信濃川よりほぼ30メートル高い位置にある。この発掘によって古信濃川は現在より25メートル高い段丘中位面を流れていたことが確認された。ここに妻有大地創生を知る手がかりがあると考えた。長い時間をかけた信濃川の浸食作用によって30メートルもの落差が生じ、地域の河岸段丘崖にはさまざまな痕跡が残されている。そこで、信濃川の垂直方向の変化に着目して、幅110メートル高さ30メートルの足場を作ることになった。大地創生の痕跡をじかに見る舞台を作ることが作品の意図だった。古信濃川の水面位置を最上部に示し、500年間隔で年代ごとの水面をラインで表示した。会期が終わってすべて撤去された。足場や字幕は作品の補助でしかないが、人々に、河岸段丘が妻有地域のかけがえのない資産であることを理解してもらえたのなら、それでよかったと思う。
※「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2018」にて再展示を行った。
作品番号 | N016 |
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制作年 | 2003 |
エリア | 中里 |
集落 | 貝野 |
マップコード | 253520640*30 |
公開期間 | 終了 |
場所 | 十日町市堀之内 |