「歩く」こと——詩的な動き——大地とのつながりを再確認する日常の動作。「歩行」を古い2階建ての空家に持ち込んだ作品——私たちの祖父母が住んでいたような家に、地元で集められた映像、音声、古靴、隣人の足型の石膏彫刻などを設置。苔の上を歩く足の映像、空間に共鳴するセミの鳴声、床に敷きつめられた地元のソバ殻、住民の足跡を描いた大型彫刻「古靴の壁」——それらが誰も住まなくなった家を活気づける。遊ぶ幼稚園児の脚の映像が浴槽に投影され、歓喜の声が浴室にこだまし、頭上には訓練中の消防士が見える。着物姿の女性の優雅な歩行と茶道の映像が体験できるオレンジの光に満ちた茶室。昔の雪中隧道を歩む人影が映されている黄緑の光の長い廊下。家の中を歩くこと、この地の美、活力、多様性を賛美する無数の瞬間が発見できる。空家に作品と来訪者の足音が響き、家が再び呼吸をはじめる。
作品番号 | T054 |
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制作年 | 2003 |
エリア | 十日町 |
集落 | 市街地 |