素材である電源コードという「容器」に、電気という「中身」が充満していることによって、この作品は紛れもなく彫刻として在る。もし電源コードで出来た作品本体(容器)だけを取り外すことができるとしたら、そこには電気コードとそっくり同じかたちをした電気の動物たちがあることを想像できるだろう。ほかの彫刻と同様に、ここで見えているのは外側、つまり「電球の光」「動物のかたち」「極彩色のディテール」などの断片的な情報だけで、中身は決して見ることができない。しかし明らかにあるはずの中身(電気)が、明らかに見えないことで、この彫刻は彫刻という概念の中の「見えない」という重要な要素を顕在化させている。
作品番号 | T049 |
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制作年 | 2003 |
エリア | 十日町 |
集落 | 市街地 |