十日町のための作品「出現—消失」は、公共の空間に着物の形がくっきりと浮かび上がる。古い伝統を持つ織物産業が現在深刻な問題を抱えている十日町。町の中心部、十日町の中心交差点で、着物の形をしたスクリーンが空に浮かんでいた。夕暮れになると建物の中から投影されたイメージが、公共空間に設置されたスクリーンに映し出された。着物の形の中に、思い思いのポーズをとった人々、子ども、女、男、の顔が登場した。ほとんどの人々は洋服だったが、その顔は伝統的な着物の形と融合していた。双方が溶け合ってひとつの新しい有機的な存在を作り出した。「出現—消失」は、時間、変化、社会と個人の役割をテーマとした作品だ。我々は何を失い、何を得ているのか。何が常に進化しているのか。そして、特定の伝統や文化とどのように接点を持ち続けることができるのだろうか。
作品番号 | T046 |
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制作年 | 2003 |
エリア | 十日町 |