2022年より、秋山郷の旧大赤沢分校のこの校舎を新たな秋山郷の新たな形のミュージアムとして再生するプロジェクトを進めるにあたり、秋山郷の民俗・信仰・歴史・技術についてリサーチを続けてきました。今回はその途中経過のプラン展示をいたします。秋山郷にはさまざまな要素がありますが、大きく「技術」と「信仰」の2つに着目しつつ、ここでの暮らしから読み取れる思想を考えると、「非境」という理念が浮かび上がりました。近代以降「秘境」として着目され続けてきた秋山郷ですが、秋山郷の民俗・信仰は広く北信、津南、十日町と境目がなくグラデーションになっているということ、秋山郷の生活が古くから境界を規定することが困難な入会地と共にあったこと、自然と素材と道具と信仰、また遊びと技術の境界を定めることができないことなどの理由からで、そこからさまざまな人たちと共有する新たな場所を作れないかと考えています。
※秋山郷の民具資料なども展示場で集めています。ぜひお持ち込み下さい。
Photo Yanagi Ayumi
Photo Yanagi Ayumi
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深澤孝史
1984年山梨県生まれ。場や歴史、そこに関わる人の特性に着目し、他者と共にある方法を模索するプロジェクトを全国各地で展開。2008年に鈴木一郎太とともにNPO法人クリエイティブサポートレッツにて「たけし文化センター」を企画。最近の主な活動として、漂着神の伝説が数多く残る町で、漂着廃棄物を現代の漂着神として祀る神社を建立した《神話の続き》(2017、奥能登国際芸術祭)、埋もれた地域の歴史を現代に結びつけ直すことで、市民の主権と文化の獲得を目指す。《常陸佐竹市》(2016、茨城県北芸術祭)、お金ではなく「とくいなこと」を預かり運用する《とくいの銀行》(2011~、取手アートプロジェクトほか)など。
津南町立大赤沢小学校は、1924年に誕生。集落の入り口に位置し、子どもたちを見守ってきた。過疎高齢化が進むなか、児童数を確保して学校の存続を図ってきたが、1998年に分校となり、2011年から休校し、2021年に廃校。2022年初めて作品会場となる。
日時 |
7/29(土)~11/5(日)土日祝 10:00~17:00(10、11月は16:00まで) |
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場所 |
旧津南小学校大赤沢分校 |
料金 | 入館料 一般500円、小中250円 または共通チケットでも入館可 |