さわやかで緑鮮やかなブナ林に、真っ白な冬のある日を箱詰めにしてひっそり仕掛けるプロジェクト。2月のある日、すっぽりと雪に埋もれた星と森の詩美術館で小学生18人とワークショップを行なった。ブナの林は白くしんとして、夏には緑を映す涼しげな池も雪の下。かんじきを履いて、風景や空やカラフルなアノラックを着た友だちの姿を撮影した。雪玉を投げ合ったり、まっさらな雪に飛び込んだり、冬の間は人の訪れない静かな美術館の庭に子どもたちの笑い声が溢れた。ワークショップで撮影した写真は、ライトボックスになった白い立方体に入れ、ブナ林に設置した。観客は小さな穴から箱をのぞくことで、同じ場所の季節によってまったく異なる表情を垣間見ることができる。この白い箱は、移り変わる色や時間、空気や温度を届けるタイムマシンのようなもの。
作品番号 | T069 |
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制作年 | 2003 |
エリア | 十日町 |
集落 | 稲葉 |