作品について

山深い松之山町に、小谷と水梨という2つの集落が丘を挟んだ両側にある。彫刻的インスタレーション「名前蔵」は、この2つの集落の出会う場と、米の貯蔵庫である蔵の2つの意味を掛け合わせている。林の際に近い広場に設置したインスタレーションの形態は、人々が集う場を思わせる。広場の入り口と同じ線上に作品に入るための2つの開口部を設けた。たくさんの、手の中に収まるご飯茶碗のような小さな冬季の器で壁を作る。松之山でこの器を作るワークショップをした。そこでは、地元住民とボランティアの学生が自分の名前もしくは家族の名前を自分の作った器ひとつひとつに刻み込んだ。器は名前が内側になるように棚に並べられ、2つの集落の古文書館、名前の蔵となる。