作品について

「ハイジ、ハイジ」という歓声を何度か聞いた。高さ約8mもある巨大ブランコが3つ誕生した大厳寺高原では、この夏ここを訪れた多くの大人が童心に返り、子どもたちはもっと高くもっと高くと嬉しそうにはしゃいでいた。「パフォーマンスの場所に蝶々を放す。コンポジションが終わったら、外に逃してあげるのをお忘れなく」－ラ・モンテ・ヤング『コンポジション 1960、5番』）より－というコンセプトに基づき完成したのが、鳥居のような3基の門型に蝶々がひらひらと6羽舞っているこのブランコ。傾斜地という条件の悪い設置場所で大小2台のショベルカーを使っての巨大な門型をたてる作業は特に困難だったが、会期中、ブランコで遊んで喜んでいる人々の姿を見て、設置工事に携わってくださった方々がやってよかったと言ってくれることがこの作品の成功を物語っているように感じる。