「真実のリア王」は、大地の芸術祭オープニング・イベントとして、また、まつだい雪国農耕文化村センター「農舞台」のこけら落とし公演として上演された。10人の出演者は全員、地元の老人たち。オランダのアーティスト、クリスティアン・バスティアンスは4カ月にわたって越後妻有に滞在し、地元住民やボランティアの協力を得ながら、老人たちにインタビューを行った。シェークスピアの悲劇「リア王」の物語を縦糸に、老人たち一人ひとりの個人史を横糸に織り上げられた「真実のリア王」は、日本の近代化の過程で崩壊していった地域の歴史と風土、そこでたくましく生き抜いてきた人々の姿を静かに描き出す。こへび隊と地元の織物業者との協働を得てつくりあげられた衣装=布の彫刻は、棚田を背に、出演者たちの霊のようにステージに浮かんだ。また光によるパフォーマンスアーティスト、ナン・フーバーは、越後の山々に想を得た光の彫刻を制作した。オランダ諸機関の全面的な支援を得て実現した「真実のリア王」は、オランダと妻有との共同事業であり、出演した老人たちが妻有で生きる喜びと誇りを確認する場となった。
作・演出:クリスティアン・バスティアンス
光の彫刻:ナン・フーバー
主催:越後妻有版「真実のリア王」実行委員会
共催:松代町
助成:モンドリアン財団、オランダ視聴覚芸術・デザイン・建築財団、オランダ大使館、財団法人地域創造
協力:オランダ・メディアアート・インスティテュート
作品番号 | D071 |
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制作年 | 2003 |
エリア | 松代 |
集落 | 農舞台 |
公開期間 | 上演日 2003年7月19日(土)、21日(月) |