まるで切り取られてそこにあるように ぽっかりと かろやかに風と戯れるように とけこんで 簡潔で 美を求めて 人を感じ 快く 時が層をつくるほどに ゆっくりと 解き放たれて 眠りに落ちるほどに静かで曖昧に ついに 輪郭線を排除する うつろい なおここにあることを 今こそ、風景のただ中に向かわなければ そこに実現したのは、木々に囲まれた揺り籠に抱かれたような空間だった。風景の中に、私は別の価値を提示したかった。それは、萌える緑に感動するように枯れてまるまっていく葉にも感動できる “まなざし”。硬化していく価値に対する “別の意識”。確固とした形をもつことなく、けれど真摯であろうとする “場”。余韻と不明瞭性の美徳の回復。
作品番号 | D090 |
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制作年 | 2003 |
エリア | 松代 |