私たちのゼミは、若松園スポーツ店の横にあるコンクリートの広い溝に対して作品を提案し、それは水との関わりの中で深められていった。色と風景という水に映る時間と空間に対する興味は、まず感性であり、感覚的なものであった。50ccの試験管の中の色は、それ自身が主張する以上に水に映る色として、そこに映る風景と結びついていた。深さのために底に敷き詰めたステンレス板の色と水面との関わりは、映すことを相乗的にするはずであったが、日々を重ねることで水の濁りを増してしまい、効果をなさなかった。水の濁りは自然の強さだと思う。しかし、水面だけは相変わらず保たれていた。今になっても、何に使われた溝なのだろう、と思う。そこに対する関わりを含め、不思議な体験と経験であった。
作品番号 | D083 |
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制作年 | 2003 |
エリア | 松代 |