「料理」は、その準備(仕込み)、制作(調理)、仕上げ(盛りつけ)、そして片づけという一連の流れからできている。そもそも「もの作り」とはそういうものだ。しかし、ことお客を相手にしているときは違う。まず上記の流れどおりにいかない。すべての作業は混ざり合ってしまう。ひとつの料理を作っているときに別の料理のオーダーが入る。次の日のための仕込みも入る。調理している合間に片づけもする。その行為にははじまりもおわりもない。すべてはスムーズにつながっている。料理人はその流れを体得したひとりの、誰に見られることもないパフォーマーになる。見えないものを見るために「トンネル」を作ってみる。トンネルとは外側からは見えないものだ。そのトンネルとともにトンネルを何度もくぐる。ぼくらはそのときトンネルの内側にいながらにしてトンネルの外側を見ることができるのだ。
作品番号 | T052 |
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制作年 | 2003 |
エリア | 十日町 |
集落 | 市街地 |