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作家は数々の空家や民家から集めた「ほこり」や小麦粉をふるいに掛ける。ほこりは居間に、小麦粉は台所に、山の連なりとなって二子集落の民家に展示された。天井裏や屋根の片隅に眠っていたほこりは時間の静止を感じさせる。作家が「ほこりを集めたい」と伝えたときには、当然ながら、住民からは戸惑いと恥じらいの反応があったという。「供出してもらう掃除機の紙パックでさえひとつの生活の証なのだということを思い知らされた」と作家は言う。
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