田麦という山村。山腹の傾斜地の隠れ里。300年以上続いているこの集落を、東京の山の手である世田谷区生まれのアーティストが入り込み、認識しようとする作品行為。41戸の集落に、アーティストが〈住民票〉と〈戸籍〉を引っ越して42戸の村に変える。42本の幟(のぼり)が、《超一流》領域のデザインでつくられ、ハタハタと翻る。作品の中心は2つであった。ひとつは『美狂徒〈REVOLUTION〉廃墟館』。彦坂の33年間の活動歴の様々な作品が集約された廃屋アート…Floor Event/Wood Painting、そして出力映像。2つには、「とまと蕎麦」「トマトアイスクリーム」という《食べるコンセプチュアリズム》で、村人が参加して経営しサービスする『田麦茶屋』。人間の脳が2つあるように、『廃墟館』『茶屋』と2つあることで立体視的に開示された現代アートの可能性。
作品番号 | T073 |
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制作年 | 2003 |
エリア | 十日町 |
集落 | 田麦 |