水田という我々にとっては当たり前になってしまったアジアの原風景の中に彫刻作品を点在させ、関係づけることによって我々にって根元的なものと今日的な問題を提示できるのではないかと考えています。アーティストが美術という閉じられた制度の中で満足するのであれば、もはやアートは現代社会とのダイナミックな関係を失い、みずみずしい感動や表現力も失われていくでしょう。広く社会に踏みだし、ときに美術に関心の薄い一般大衆の乱入を歓迎する。カオスをひきいれる。それによって美術をより開かれたものにできないだろうか。妻有の地でプロジェクトを実現できたことに大きな意義を感じています。なぜなら、一見のどかで美しいこの地も、現代社会の発する普遍性と土俗性という難問が激しく拮抗する中山間地である、さまざまな先鋭的問題をはらんでいる場であるからです。
作品番号 | D073 |
---|---|
制作年 | 2003 |
エリア | 松代 |